ダメ社員が「作家志願者に贈る一般常識問題」その2


問1で子供の文章にいろいろ突っこみました。
突っこんだだけではあんまりなので、手直ししてみました。下記の問2の文章です。
さて……問1の子供が書いた文章と、問2で【ダメ社員】が直した文章。
どちらが「小説の冒頭」としてふさわしいでしょう?
気のおもむくままに書き連ねた子供の文章でしょうか?
それとも……小手先でいろいろ手直しした【ダメ社員】の文書でしょうか?
現段階ではどちらもひどい文章です。でも……たぶん子供のほうがいいはずです。どうしてでしょう?

問題2 子供の文章と、それを手直した【ダメ社員】の下記の文章、どっちがいいでしょう?


 ひつこく降り続いた雨が、ようやくやんだ。
 実に晴れ晴れとした気持ちで、僕は家を出た。勢いよく門扉
を閉めると、大きな音がする。おかんが怒るだろうが、知った
ことじゃない。
「まったくこの子は。ちゃんと閉めてちょうだい」
 ひび割れた声に振り返る。血がかっと頭にのぼる。今日こそ、
今日こそ言い返してやる。
 おかんの顔がちらっとみえた。呆れたような、諦めたような
顔が。不意にその顔が、苦痛に歪む。おかんが顔を押さえ、し
ゃがみこむ。
 おかんの足元に小さな、でも尖った石があった。それが血に
染まっていて……。そのときになってようやく気づいた。振り
返る拍子に石を蹴ったこと、それがおかんに当ったこと。
 ただ呆然と、僕は立ち尽くした。


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